第3章:酒極まって、乱となる 230:みんなだいすきあぼーどのあにき 『アボード!?』 落ちた地面で『ぐっ』と、膝と腕をついたままアボードは、まるで生まれたての小鹿のようだった。 『おいおい!アボード!』 『おい!救護班を呼べ!負傷した可能性が高い!』 『兄貴ぃ!』 『大丈夫なのか!?兄貴は大丈夫なのか!?... 2021.10.17 第3章:酒極まって、乱となる
第3章:酒極まって、乱となる 229:飛べ、飛べ ------------- ---------- ------ ----------アウト、空は気持ちいいかい? そう。頭の奥で、声が聞こえた気がした。 けれど、その声に返事をする事は叶わなかった。 何故なら――。 「おい!?このドク... 2021.10.17 第3章:酒極まって、乱となる
第3章:酒極まって、乱となる 228:生者が死者に出来る事 ----- ------- ----------- どのくらい、此処に居ただろう。 『イン』 俺は一人、インと俺がいつも一緒に過ごしていた、森の奥の大穴の中に居た。もう、日も落ち、辺りは真っ暗だ。 『イン、どこ』 膝を抱え、呟くよう... 2021.10.17 第3章:酒極まって、乱となる
第3章:酒極まって、乱となる 227:父であり、母であり、そして ----------- -------- ---- 「おい、アボードはどうしたんだ」 「もう試験は始まってるんだよな?」 「なんで兄貴は騎兵しないんだ?」 周囲が騒がしい。 それもそうか、と。男は鳴り響く心臓を抑え、思った。 「どうし... 2021.10.17 第3章:酒極まって、乱となる
第3章:酒極まって、乱となる 226:四兄弟の使命 〇 屋敷に到着した、郵便飛脚によりもたらされた手紙。 いや、報告書は、すぐに屋敷の当主の元へと手渡された。 情報は全ての要。 人もモノも“情報”一つで大きく扱い方が変わる。 そう、その当主は幼い頃から父親に教え込まれていた。 だ... 2021.10.17 第3章:酒極まって、乱となる