第1章:俺の声は何!?

第1章:俺の声は何!?

53:真夜中のティータイム

---- -------- ----------- 「ふーん。これは物凄く油っぽいな。手がベタベタする」 「まぁ、揚げ菓子だからな。なんだ、口に合わなかったか?」 「まぁまぁ」  そう言って、俺の買ってきた揚げ菓子をパクパクと口に入れていく...
第1章:俺の声は何!?

52:二人の宝箱

---------- ------- ---- 『キン、ソレなんだ?』 『これ、これは……キン君の』 その日も、俺は、キンと二人で秘密基地に居た。そして、俯きながらギュッと腕に抱えられた見慣れないソレに、俺は首を傾げた。         〇...
第1章:俺の声は何!?

51:王子様の涙

「また、今度。何か別のごほうびを買って来てやるから」 「……今度とはいつ?明日か?」 「……」  出・た・よ。  小さい子が、何かにつけて期日を「明日」に設けてくる例のヤツ。いや、イーサは全然小さくはないのだが、むしろ俺より完全にデカイのだ...
第1章:俺の声は何!?

50:おこがましい

----------- -------- ----- 「俺の声は、父より格好良いか」  まるでローブでも羽織るかのように、とてつもなく長く伸びきった髪の毛をその身に纏わせながら、イーサはゆったりと俺の前へと歩み寄ってきた。  一度だけ、俺が...
第1章:俺の声は何!?

49:憧れる人、嫉妬する人

---------- -------- ----- 『なぁ、サトシ!凄かったな!飯塚さん!』 『うん……。すっげー凄かった』  すっげー凄い。  元々無い語彙力が、興奮で更に消えて無くなっていた。そのくらい、その時の俺は興奮していたのだ。 ...