第3章:俺の声はどうだ!

第3章:俺の声はどうだ!

140:懐かしい顔

『今晩、サトシはイーサの所で一緒に寝るんだ』  そこに居たのは、紛れもなく金弥だった。いや、分かっている。此処に金弥が居る筈ないって事は。  これはイーサだ。本人もそう言っている。ただ、声だけではなく、その姿さえも、こうして金弥と似た姿にな...
第3章:俺の声はどうだ!

幕間13:クリアデータ7 04:45

上白垣栞は、歓喜の渦に呑まれていた。 「きたきたきたきたーーー!やっと恋愛シミュレーションゲームっぽくなってきたじゃない!!もーーー!待たせやがって!いや、むしろお待たせしましたーー!」  病は気から。心配は身の毒。万の病は心から。  なん...
第3章:俺の声はどうだ!

139:引っ張りだこ

俺は、賑やかな街をぼんやりと歩いていた。そりゃあもう、深い溜息を吐きながら。 「ハーーーーーッ」 なんかもう、色々と俺の中の常識やら、貞操観念やらが歪みつつあるのが、なんとも怖い。俺は暗くなった街の中を歩きながら、自身の右手を見下ろす。手に...
第3章:俺の声はどうだ!

138:サトシの性教育講座~一人でやってみよう編~

(なんでだ?どうしてなんだ?)  かねてより疑問だった事を、俺は我慢出来ずにイーサに尋ねた。 「……なぁ、イーサ。お前、なんで俺相手に勃つんだよ」  テザー先輩との一件を経て声の出なくなった俺は、皆との飲み会前に声を取り戻すべく、イーサの部...
第3章:俺の声はどうだ!

137:タンタンちゃん、現る!

『タンタンちゃん?』 「っ!」  俺の呼びかけに、先輩の肩が揺れる。先輩の息を呑む声と共に、俺の膝の上にある大きなテザー先輩の姿が、俺には何故だか小さな男の子に見えた。 『あらら、今日も甘えん坊さんで可愛いね。良い子、良い子』  少し声を高...