第3章:俺の声はどうだ!

第3章:俺の声はどうだ!

150:サトシ、ヴィタリック推しを暴露する

「これこそが、六百年前の国家防衛戦線の裏側である!」  俺がハッキリとそう告げると、それまで黙って俺の事を見ていたイーサが、不満そうに此方を見ていた。 「なんだよ、イーサ」 「そんな都合の良い事があるワケない。そもそも、そこまでの兵力に差が...
第3章:俺の声はどうだ!

149:サトシ、あの頃を語る

しかし、だ。 ヴィタリックという王の登場が全ての戦局が変えられる程、戦争とは甘いモノではなかった。 「人間達からの攻撃は、止まない!たとえ士気が上がったとしても、負傷する兵の数は日に日に数を増していき戦況の悪化を止める事は出来なかったのであ...
第3章:俺の声はどうだ!

148:サトシ、イーサを掌で転がす

【セブンスナイト3】 それはシリーズ初となる、エルフの国クリプラントを舞台としたナンバリングタイトルだった。 キャッチコピーは「閉ざす事は愛すこと。戦え、日常という安寧を守り抜く為に」 これまでクリプラントと言えば、排他的で、選民意識の強い...
第3章:俺の声はどうだ!

147:もし、俺が死んだら

飯塚邦弘さんが亡くなった。  その事を知ったのは、バイト終わりの更衣室だった。着替えながら、ふと見たスマホのニュース画面に、俺は釘付けになっていた。 ・声優 飯塚邦弘 死去、声優達による追悼続々 『え、嘘だろ……?』  確かに、最近声を聞く...
第3章:俺の声はどうだ!

146:旧友たち

あぁ、時間が無い。  マティックは通された店の奥。雑然とした家屋の中で、ぼんやりと目の前の年老いた男達を見つめていた。  そりゃあもう、無感情で。 「嘘だろ……ヴィタリックが」 「嘘なものか……そうでなければ、私がわざわざこんな変装までして...