第3章:俺の声はどうだ!

第3章:俺の声はどうだ!

160:喪に服す

「……はぁ」  あの楽しかった打ち上げから三日が経過した。弾けるような笑い声と、酒場の中の喧騒が今も目を瞑ると耳の奥に蘇ってくる。  楽しかった。本当に、楽しくて楽しくて。  しかし、今や、あの明るかった雰囲気は一切なくなってしまった。これ...
第3章:俺の声はどうだ!

159:癇癪玉爆ぜる

「ならば、イーサがたくさん頑張ったら、サトシに頑張れって言えるようになるということか?そうすれば、サトシはイーサに頑張れって言って欲しくなるか?」 「は?なんだよ。それ」 「イーサがアイツらよりも頑張れば、サトシはイーサの“頑張れ”が欲しく...
第3章:俺の声はどうだ!

158:嘘の昔話

-------お前良い声をしているな。ちょっと俺に付いて来い。お前にピッタリの役をくれてやる。  そう、出会いなんて、いつも突然だ。飯塚さんと、中里さんがそうであったように。そして、 --------ねぇ、なまえ。なんていうの?  俺と金弥...
第3章:俺の声はどうだ!

157:サトシは何者、

「あのっ!『頑張れ、サトシ君』って言って貰っていいですかっ!」 「は?」  ベッドの上で、ほぼ土下座のような体勢で頭を下げる俺に対し、頭上からは中里さんの、いや、カナニ様の呆けたような声が降ってきた。明らかに戸惑っている。そりゃあ、初対面の...
第3章:俺の声はどうだ!

156:ちょっとマニアックなお願い

------------ -------- ---- 『飯塚さんの時も思ったけどさぁ。結構マニアックなこと聞くよな。サトシって』  中里さんが講師としてやって来た“あの日”の事だ。 金弥は、俺の質問ノートを上から下まで眺め、呆れたような声を...