第3章:俺の声はどうだ!

第3章:俺の声はどうだ!

155:憧れの人

「――な、――か」 「――だ!――い――!!」  うぅ、うるさい。それに、なんかあつぃ。みず。みず飲みたい……。  なんだか、妙に周囲が騒がしい。ぼんやりする意識の中、瞼の上から感じる光に身をよじる。体中が熱くて仕方がない。喉が渇いた。水が...
第3章:俺の声はどうだ!

154:一方その頃店の裏では

マティックは目の前の光景に、完全に引いていた。 「うぅぅぅっ、なんだ!アイツら……なんで、ポチがあの時のことをぉっ!俺が言った台詞まで、全部知っていやがるっ!いやっ、もうそんな事ぁ、どうでもいいっ!ヴィタリックぅ……なんで逝った!おまえは、...
第3章:俺の声はどうだ!

153:愉快に泣き上戸

お話会が終わった。  周囲からは、最高の歓声が上がっている。どうやら、俺とイーサのお話会は大成功だったようだ。 「サトシ!お前、いつも思うが作り話がうめぇな!」 「しかも、絶妙に本当に居る要人の名前を出してくるモンだから、一瞬マジかと思っち...
第3章:俺の声はどうだ!

152:弔辞

弔辞  お前の訃報を受けた時、ちょうど収録が終わった所だった。最近、めっきり現場で合う事もなく、久々に家に遊びに行こうかと思っていた矢先の話だ。  最近、体調も大分良くなってきたと言っていたのに、本当に残念だ。早く、会いに行けばよかったと、...
第3章:俺の声はどうだ!

151:サトシ、男同士の友情にシビれる

「ボロボロのヴィタリックが城に戻った瞬間!カナニが一目散にヴィタリックの元へと駆け寄るんだ!そして!こう言う!」  俺は散漫になってしまった皆の意識を引き戻す為、少し演技も入れてみる事にした。そう、あの時画面の中のカナニは帰ってきたヴィタリ...