第3章:俺の声はどうだ!

第3章:俺の声はどうだ!

145:ヴィタリックは凡王

その瞬間、まさに俺達の宴はたけなわだった。 「ダメだと言っているのが聞こえないのか」 「そこを何とか……サトシの声がなければ、俺は今晩眠れそうにないのです」 「っまだ言うか!お前、一貴族の分際で王のモノに手を出そうなど!そろそろ分を弁えた発...
第3章:俺の声はどうだ!

144:盟友と呼ばれた男達

その日、俺は最高に興奮していた。 『やっべぇ!今日、中里さんが講師の日だろ!?スゲェ楽しみなんだけど!どうしよ、めちゃくちゃ緊張してきた』 『サトシー。それ、飯塚さんの時も全く同じ事言ってたよ』  興奮する俺の隣で、金弥が呆れたように言う。...
第3章:俺の声はどうだ!

143:聞いた事のある声

「まったく、お前らがサトシを毒の中に置き去りにしたせいだ」 「っぐ」 「おい、それは俺が勝手にやった事だから。そんな風に言うな」  むしろ、テザー先輩が居なかったら、俺は死んでいた筈だ。感謝こそすれ、それは完全なる言いがかりに過ぎない。  ...
第3章:俺の声はどうだ!

142:俺以外とも仲良く

「俺以外とも、少しは喋ってみろ。気の合う奴も絶対居るよ。な?せっかく来たんだ。皆で楽しくしよう」 「……いやだぁ」  ここまできて尚、イーサは拒否する。どうしてイーサがここまで他人との接触を拒絶するのか、俺にはまったく理解できなかった。 「...
第3章:俺の声はどうだ!

141:お前と俺は、

「ぜ、ゼッコウは嫌だ!」 「なら、俺とだけじゃなくて、皆と仲良くしろ!そして、自分で食べろ!」 「イヤだ!」  イーサも大分と頑なだ。  これは余り厳しく言い過ぎるのも、イーサをより意固地にさせるだけかもしれない。俺は、一呼吸置くと、体を捻...