第3章:俺の声はどうだ! 136:ベイリー役のオーディション 『タンタンちゃん』 その呼び方は、幼いテザー先輩が上手に一人で“靴下”を履けなかった事から、そう呼ばれ始めたらしい。 「ベイリーの故郷では、靴下の事を幼い子供に言う際“たんたん”と呼ぶと言っていた」 「へぇ」 だから、“タンタンちゃん”... 2022.11.16 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 135:先輩の甘えたい相手 「……なぁ、お前さ。こんな声っつったら……もしかして、出せる?」 「え?」 「いや、無理だとは思う。ただ、お前だったら……少しは、似せた声で言って貰えるかもって思ってさ」 そう、先輩が、煮え切らない様子でボソボソと告げる。どうやら、先輩に... 2022.11.13 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 134:テザー先輩へのお礼 なんて、勢いよくテザー先輩の部屋に来てみたはいいが。 「……どうしよ」 俺は完全に部屋の前でたじろいでしまっていた。 〇 テザー先輩の部屋は、俺の部屋の二つ上の階にある。部屋の場所も知っている。一度入った事だってある。 ... 2022.11.13 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 133:飲み会の約束 「あ、ありがとうございます!」 「おう。だから気にせず来い」 「ふふ。良かったね。サトシ」 「うん、良かった」 打ち上げ。飲み会。まさか、この世界でそんな集まりに呼んで貰えるなんて、ここに来たばかりの頃は思いもよらなかった。 「飲み会かぁ... 2022.11.13 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 132:久々の再会 「あれ……もしかしてサトシ?」 懐かしい声が聞こえてきた。 久々に聞いた気のするその声は、最後に聞いていた声とは違い、特有の張りと円みを帯びていた。 声だけで分かる。元気になったのだ、と。 「……おう、エーイチ。元気になったみたいだな」... 2022.11.13 第3章:俺の声はどうだ!