第3章:俺の声はどうだ!

第3章:俺の声はどうだ!

178:友達に欲情

「っい゛でぇぇぇっ!」 「っ!サッ、サトシ!?」  俺の首にかかっていたイーサからのネックレスが、またしても凄まじい痛みを俺へと与えてきたのだ。俺の突然の悲鳴に、それまで子供を拘束していたエーイチが、慌てて俺の方へと駆け寄ってくる。 「っあ...
第3章:俺の声はどうだ!

177:プロポーズ

「お前!可愛いな!」 「……なに?急に」  突然、エーイチを見て「可愛い!」と声を上げ始めたのは、まさかのエーイチに手首を掴まれているスリの少年だった。先程までの、涙目でエーイチを見上げていた姿がまるで嘘のように、興奮気味にエーイチににじり...
第3章:俺の声はどうだ!

176:ひび割れた眼鏡

どのくらい走っただろう。 「っはぁ、っはぁ……ちょっ。っはぁ、やっと、おい、ついたっ」  正直、こんな森の奥まで走る事になるとは思ってもみなかった。完全に運動不足だ。今や、呼吸するのが精いっぱいで、喋る事すらままならない。 「っはぁ、っはぁ...
第3章:俺の声はどうだ!

175:待つのも王の仕事

マティックは自らが賢い事を、幼い頃から十分理解していた。 「父上、少しいいですか?」 「なんだ、マティック」  だからこそ、自分の影響の及ぶ範囲外について、思い悩む時間は無駄であると心の底から思っている。自分にはどうする事も出来ない範囲に対...
第3章:俺の声はどうだ!

174:到着早々イベント発生!

「ねぇ、サトシ。ひとまず宿取ろう。エイダとの約束は明日でしょ?」 「そうだな。一旦落ち着ける場所を探す必要がある」 「わかった」  ゲットー出身のエーイチが、率先して前を歩く。良かった。もし一人で来ていたら、俺はゲットーで何をどうして良いの...