第3章:俺の声はどうだ! 173:新しいマップが解禁しました! ここに来て、新しいマップが解禁されるなんて思ってもみなかった。 「へー、ここがゲットーかぁ。なんか、窮屈そうな街だな」 「え?サトシ、ちょっといい?」 「ん?」 隣から聞こえてきた丸みを帯びた声に、俺は鞄を掛け直しながら顔を向けた。ヤバイ... 2022.12.28 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 幕間15:クリアデータ7 5:15 「良かったー。私、選択肢選び間違えたかと思ったー」 栞は、やっと画面の中から消えて無くなった妖艶な雰囲気に、ホッと胸を撫で下ろした。今は寝ながら、ゲーム内の会話に耳を傾けているところである。 ----------- 【ソラナ】 あら、ダメ... 2022.12.25 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 172:似た者同士 「まさか、会った事もないヴィタリックの息子と自分を比べて……ビビッてるんじゃないよな!?」 「……ビビッてなんかいない。ただ、あの賢王と呼ばれる男の息子だ。きっとタダ者ではないのだろうと思っているだけだ」 「うわ、完全にビビッてる」 「ビビ... 2022.12.25 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 171:ジェローム・ボルカ―の憂鬱 その日、ジェローム・ボルカ―は声明を発した。 「……神の加護が我々とともにあらんことを」 固くワックスで固めた茶色の髪の毛を手で撫でつけ、深く息を吸い込む。目の前にあるのは小型マイク。そこで、ジェロームが一言声を発するだけで、国中の人間に伝... 2022.12.25 第3章:俺の声はどうだ!
第3章:俺の声はどうだ! 170:その誰かは、俺じゃなきゃダメだろ? 「こわい」 イーサの眉が情けなくハの字になる。重なり合った掌は、圧倒的にイーサの方が大きいのに、俺にはまるで小さいボロボロの子供の手に見えて仕方がなかった。 「イーサは、戦争なんかしたことがない。分からない事があったら、一体誰に聞けばいい... 2022.12.21 第3章:俺の声はどうだ!