第1章:酔いの余韻に酔いしれて

第1章:酔いの余韻に酔いしれて

43:弟との約束

「ファー、今日でキミとは一旦お別れだ」  俺は止まり木の上で大きな目をきょろきょろさせるファーに、なんだかとてつもない寂しさを覚えてしまった。仕事帰り、この部屋でファーが出迎えてくれる事はもうないのだ。 ------いかん。  感傷的になり...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

42:ともだちのともだち

◇◆◇◆ さぁ、今日も家族は眠りについた! 僕の世界を巡る冒険の旅に行かなくちゃ! 僕は部屋の窓に手をかけると、そのままフワリと空中に飛び上がった。 ホーホー! あれは、僕の相棒。フクロウのファー。 僕の旅にはキミがいなくちゃ始まらない。フ...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

41:おやすみ

--------- ------- -----  結局、あの大きなサイズの酒瓶を二人で全て飲み干した頃には、既に夜中だった。和酒は度数の高い酒であるため、あれを二人とは言え飲みつくした時には、俺もアボードもしこたま酔っぱらっていた。  まだ...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

40:命名

〇 「…………お前」 「どうだ?可愛い子だろ?」  部屋に到着した途端、アボードのなんとも言えない視線が俺に向かって飛んできた。そして、俺の視線の先には、可愛いフクロウ。  先ほどまで寝ていたのか、俺の帰宅で目を覚ましたフクロウは未だに目を...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

39:親ばか

待っている人が居るって素晴らしい!  俺は時計をチラチラと気にしながら思わずニヤけてしまうのを止められなかった。あと少しで仕事が終わる。終わったらいち早く家に帰らなければ。 そう、こうしている今もあの何もない部屋には待ってくれている人……い...