第2章:生酔い、本性違わず

第2章:生酔い、本性違わず

73:教訓

「すごい!」  ここは魔法使いの店だろうか!  俺は店の両脇に所狭しと並べられた窓掛の山に感嘆するばかりだった。窓掛とはこうも色柄の種類が豊富なものだったのか。  店内に並ぶ窓掛は、色とりどりも色とりどりで、まるで花屋にでも来たかのような感...
第2章:生酔い、本性違わず

72:破廉恥男

「オネーサン!可愛いねぇ!どう?今日暇なら、俺と遊ばない?なんなら!」 ------俺の子供産んでくれない?  俺の耳に、清々しい朝には似つかわしくない衝撃的な言葉が飛び込んで来た。どこか間延びしたその口調は、軽薄そのもので一切の本気さが感...
第2章:生酔い、本性違わず

71:窓掛け

--------- ------ -- 『ウィズ。一緒にインを探そう』 --------この世界のどこかに居るインを、共に。  頭に木霊する俺の言葉。あぁ、あの日、俺はグラス1杯で酔っていたのだろうか。 あぁ、そうに違いない。でなければ、何...
第2章:生酔い、本性違わず

70:とある国の兵士の話

□■□■□■  話?俺の話が聞きたいのか?おかしなヤツだ。  俺は何も面白い話なんて出来ないぞ?  あぁ、そこまで言うなら聞いてくれ。酒?俺はあまり得意ではないから、そんな俺でも美味しく飲めるモノを貰おうか。  大陸の東の果てに小さな国があ...
第2章:生酔い、本性違わず

69:決意

---------- ------- ---- 『ちぇっ!大人になる薬なかったなぁ』 『ねー!崖の方ならあるかと思ったけど。オブが心配性だからー』 『っはぁ、っはぁ。ダメに決まってるだろっ。崖なんか落ちたら、大人になろうにもなれなくなる』 ...