第2章:生酔い、本性違わず

第2章:生酔い、本性違わず

58:魔法のぼくたち

『はい、今日はここまで。大人の国の話はまた明日』 『えーっ!大人の国の話も聞きたいよ!』 『ダメ』 『ちょっとだけ!最初の方だけでいいから!』 『イン?僕ももう帰らなきゃだし。インだってあんまり仕事に戻るのが遅いと、またお母さんに夜ご飯抜き...
第2章:生酔い、本性違わず

57:大人のくに

◆◇◆◇ さぁ、今日も家族は眠りについた! 今夜も冒険の旅に出かけなくっちゃ! さぁ、今夜はどこへ行こう!どんな国に向かおうか!あぁ、そうだ!こないだ夜の国で出会った旅人に聞いた国へ行ってみよう! その国の名前は、大人国!子供は入っちゃいけ...
第2章:生酔い、本性違わず

56:愛か呪いか

「いや、それはないんだって。だって俺にはソイツらとの記憶は無いんだ。たまたまだよ。本当にたまたま」 「たまたまって、そんな偶然あるもんすかねぇ」  どこか腑に落ちない様子のアバブは、本当に昨日のトウの見せてきた表情とまったく同じだった。  ...
第2章:生酔い、本性違わず

55:トラウマ

「で、そのトウって奴さ、実は弟の同僚だったんだよね」 「同僚……という事は、デカ男のトウは騎士様……!あぁっ!騎士同士の平凡主人公の取り合い!ライバル出現により、それまで兄弟という立場に胡坐をかいてきた弟の急な焦り!不安!葛藤!運命の歯車が...
第2章:生酔い、本性違わず

54:ふじょしの力

余りの出来事にすっかり忘れていたが、次の日は夜勤だった。あんな事があったので、この世界は終焉を迎えてしまうのかと思ったが、いや、当たり前だが、全くそんな事はなかった。  目覚めた俺は、未だに背中に熱い掌の跡を感じながらぼんやりと目を覚ました...