第4章:即時、一杯の酒

第4章:即時、一杯の酒

244:地獄への鍵

〇 「おい、何でコイツは起きないんだ」 「…………」  アウトが眠りについて3日が経った。  あれから、俺は仕事にも行かず、ずっとアウトの様子を見ている。見ているが、アウトが目を開けた瞬間は、一時もなかった。  ずっと、ずっと眠り続けている...
第4章:即時、一杯の酒

243:インをさがせ!

---------- -------- -----  落ちて行く。落ちて行く。  響き渡る多くの人々のざわめき。明るい声。楽しそうな笑顔。  ここは一体。  どこ。 『マスター!ねぇ、聞いてる?』 『っ!』  俺は騒がしい店内で、カウンター...
第4章:即時、一杯の酒

<小話7>:アウトの鞍替え講座

ツイッターお喋りまとめ 〇現世編〇 ------------ アボード「はぁっ」 アウト「おつかれさん」 アボード「まだ居たのか」 アウト「どうなったかと思ってさ」 アボード「まだ、わからん」 アウト「引き止められ方がエグかったもんなぁ。お...
第4章:即時、一杯の酒

242:おやすみ

泣いている。泣いている。  月が、泣いている。可哀想に。  月の王子様は、たった一人の愛しい人を失って、酷く悲しそうだ。先に大人になってしまって。置いていったのは自分だった筈なのに、今や彼が置いていかれている。 「インじゃないっ!じゃあ、お...
第4章:即時、一杯の酒

241:鍵を継承し続ける者に

------------ --------- ----  静かな部屋に、誰かが入ってくる音がする。扉の開けられる音。  一歩一歩、近づいてくる足音。  ギシと、俺の横になっているベッドが軋む音がした。そして、軋んだと思ったら、それまで肩まで...