第4章:即時、一杯の酒

第4章:即時、一杯の酒

249:退屈を消すもの

「お前だって入る気なのだろう。俺とお前で何が違う?」 「違うよ!全然違う!僕はアウトにちゃんと許可を貰ったもの!“ヴァイスなら、俺の中に入っていいよ?”って可愛く許可をくれた!」 「そんな口約束など、お前の妄想だと一体誰が証明する」 「そん...
第4章:即時、一杯の酒

248:一緒に行こう!

「という訳で、キミはもうどちらに転んでも僕の後輩だ。おめでとう!これから長い長い地獄を、どうぞ楽しんで!」  そう言って、俺の中からあっさりと出ていったヴァイスは、ついでに俺自身からもアッサリと背を向けた。背を向け、アウトへと向き直る。 「...
第4章:即時、一杯の酒

247:2つ

「クソッ!クソクソクソクソ!」 「おや。君がそんな汚い言葉を使うなんて珍しい。いや、まぁね。口に出していないだけで、心の中はいつもそんなもんだったのかな?」 「うるさいっ!黙れ!」  あぁ、腹が立つ腹が立つ!  アウトの全身から放たれるマナ...
第4章:即時、一杯の酒

246:図星

〇 ----------今まで世話になったな。マスター。コイツは週末連れて帰る。  そう、来訪者の誰も居なくなった部屋で、俺は先程、帰り際にアボードが口にした言葉を思い出していた。  連れて帰る。どこに、とは言わなかった。  彼は騎士の寄宿...
第4章:即時、一杯の酒

245:キミが居て良かった

----------- -------- ----- 『イン?って人を探せばいいの?』 『そう!イン!俺はインを探してるんだ!お願い!協力してくれ!ファー!』  俺は店じまいをした店内で、机の上に大量に残されたグラスを回収してまわるファーに...