最終章:酒は百毒の長

最終章:酒は百毒の長

341:変わり果てた息子

----------- ------- ----  スルー、会いたい。  また二人で、色々な事を話したい。  手を取り合って踊りたい。  お前の歌が聞きたい。  お前の笑った顔が見たい。  お前に、触れたい。  あぁ、スルー。会いたい、会い...
最終章:酒は百毒の長

340:心が死んだハレの日

「いん?」 「……」  床に倒れ込んだインに俺は触れようと手を伸ばした。  すると、刻印のせいだろう。俺の手はアイツのマナでバチリと弾かれた。弾かれて、俺の手には、その瞬間焼けただれたような痕がつく。 「やめろ。もうお前はその子には触れられ...
最終章:酒は百毒の長

339:傲慢

※注)性暴力的な描写(直接的なものではない)が含まれます。 「おいっ!お前らっ!」  俺は肩で息をしながら、夜にも関わらず何かを待ち構えていたように研究室に集まっていた神官達の元へ駆け寄った。 頭がグラグラする。もう、腹の底はずっと崖に落ち...
最終章:酒は百毒の長

338:皮肉なハレ

---------- ------- ----- 「はぁっ。思ったよりも遅くなったな」  俺は真っ暗になった街を通り抜け、教会へと戻って来た。スラム街でのマナ測定業務を一人で請け負ったのは俺の希望であったが、いや、これは重労働だった。  な...
最終章:酒は百毒の長

337:あの頃のように

「それに伴って医療庁からも、各庁に対し準備の為に人手が多く取られる事になりました。ただ、明日以降の予定を鑑みると、スラム街へのマナ測定業務は日をズラす事は出来ません。まぁ、不満がおありなようでしたら、どうにか別の者を手配させます。上級の方の...