最終章:酒は百毒の長

最終章:酒は百毒の長

351:寂しくない

------------ --------- -----  ゴロリと寝転がって、真っ暗な空間を眺めてみる。  見上げてみて、何がある訳でもない。  そこに見えるのは、ただただ真っ暗な空間だけ。  けれど、スルーは言った。 ------ここに...
最終章:酒は百毒の長

350:ひがいしゃ×かがいしゃ

---------- ------- ----  僕はすっかり忘れていた。  記憶って、そんなに単純なモノじゃないって事を。  僕みたいに、長い長い時の川の流れに乗って、石の角が削れるみたいに削られていった記憶なら、まだわかる。それは、マナ...
最終章:酒は百毒の長

349:忘れてしまった男

『お父さん。この子の名前は一体どっちなんだ?ザン君?ヨル君?それとも、どちらとも違って全然別の名前があるのか?』 『えっ?』 『俺にも、なんとなく覚えがある。自分の中にたくさんの俺を作って、それぞれに名前を付けるんだ!俺は、ずっと一人だった...
最終章:酒は百毒の長

348:踊り出た男

---- ------ ------------ 『やぁ、こんな所でどうしたんだ?何か困った事なら、俺に言ってみろ!このスルーは子供を泣き止ませるのが大得意だからな!』  そう、片目を瞬かせながら現れたのは、本人の言うように、紛れもなく“ス...
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347:明日は明日のケセラセラ

『イン、キミは今とっても鋭い事を言ったよ!そう、確かにここは今、夜なんだろうね!さすがだ!着眼点が違う!』 『えっ、そうかな?俺、鋭かったかな?ちゃくがんてんが違ったかな?』 『うんうん!最高さ!アウトとインがこの世界の星になる案を採用!で...