第3章:酒極まって、乱となる

第3章:酒極まって、乱となる

189:幸せを願う

「聞きたい!俺も兄貴の忘れられない女の話、聞きたい!聞きたい!」 “おんなのこ”ってどうしてこうも、会話の移ろい方が激しいのだろうか。俺は学窓時代、隣の席の女の子達の会話が聞こえていた時の事を思い出し、なんだか懐かしい気持ちになった。 聞い...
第3章:酒極まって、乱となる

188:忘れられない女

〇「アボード、もう酒が無くなってるぞ?おかわりいるか?」 俺は目の前でキャッキャッと楽し気にお喋りを楽しむアバブとニアを横目に、ぼんやりとカウンターで霜氷だけになったグラスを片手で持つアボードに声を掛けた。 すると、本当に意識をここから飛ば...
第3章:酒極まって、乱となる

187:置き去りにした想い

『ねぇ、オブ。オブは俺が居ないとダメになる。それは俺だってそうだよ。それは、こないだのオブを見て思ったんじゃない。これまで一緒に居た時間全部を使って、オブは俺に教えてくれたんじゃないか。二人一緒がいい、ずっと一緒に居ようって。俺もそうだから...
第3章:酒極まって、乱となる

186:この手だけは

------------------------ インの手が俺の手を必死に握り締めている。ぎゅうぎゅうと。必死に握り締める。けれど、その手を俺が握り返す事はない。 インは俺の前をズンズンと進みながら、森の中を行く。この道はいつもの道だ。 二...
第3章:酒極まって、乱となる

185:あなたの気持ちを聞かせて

◇◆◇◆◇きみとぼくの冒険。第5巻。第1章。【あなたの気持ちをきかせて】 ぼくは、真っ暗な黒点の部屋でシクシクと泣き続けた。けれど、しばらくして、ぼくの涙はピタリと止まった。 何かが、聞こえる。 そう、それは悲しそうな声。誰かの泣き声だ。 ...