第3章:酒極まって、乱となる

第3章:酒極まって、乱となる

211:新しい手帳

「俺は勝手な男だ。お前は俺を追いかけて来てくれるものだと、どこかで勝手に思っていた。追いかける事すら躊躇わせているのは他でもない俺なのに……勝手に不安になって、勝手にお前からの呼びかけに無視して、挙句、付いて来てくれなかった事にもショックを...
第3章:酒極まって、乱となる

210:手帳

「うん、いいな。これ」  きっと、俺は自分自身に皆のような古い歴史がないので、古めかしくて歴史を感じられる、こういったモノが好きなのかもしれない。  こういうのを、”無いモノねだり”とでも言うのだろうか。 「まぁ、いいか。たまには」 「へ?...
第3章:酒極まって、乱となる

209:買い物に行こう

「ウィズ、こっちはどうだ?」 「いや、待て。アウト、それはどう考えても生地が夏モノだろう」 「じゃあ、コレは来年の夏用に使ったらいいじゃないか!」 「おい、今日は店の冬支度の買い出しだと言っただろうが!」 「この柄が!素敵なんだよ!夜空みた...
第3章:酒極まって、乱となる

208:嘘の約束

『オブ、なんで。こんなにも、“イン”を選んでくれているのに、肝心の“俺”を選んでくれないの?』 『イン、もっと俺が傷付けたら忘れないでいてくれる?もっとお前に乱暴な事を言ったり、怖い事をしたらいい?絶対に消えない傷を作ったらいい?』  疑問...
第3章:酒極まって、乱となる

207:あなたに望むこと

------------ --------- ----- ------なぁ、オブ。だからインの事は何の心配もいらない。きっと、いつか俺達はまた、笑顔で会える日が来るさ!  そこから後のフロムの言葉は、俺ももう余り覚えていない。  酒の入って...