第3章:酒極まって、乱となる

第3章:酒極まって、乱となる

206:代償

「ちょっと待った!!お前ら!ほんとなんで喧嘩なんかしてるんだよ!?意味わからん!」  俺はズンズンと部屋の中で向き合う二人の男と、傍でオロオロとする体の大きな男の、ちょうど真ん中に立った。  部屋を出る時は、あんなに見事な殺気を放っていた男...
第3章:酒極まって、乱となる

205:巨悪

『俺が居たから、インはあんな納屋で最期を迎える羽目になった!お前が選ばなかったから、インは毎日バカみたいに期待し、、森に行って木に登ってた!オブの居る首都が見えるかもしれない、大人になったら自分もソコに行くんだって!』 『っ!』 『自分の兄...
第3章:酒極まって、乱となる

204:謎の跡

○ 「トウ、目が本気だったな。いや、ほんと怖すぎ」  そう、バイの額に口付けをしてやった後、俺は一旦、本当に部屋を出た。いや、なにせトウの目が本気で怖かったからだ。  しかも、『ちょっとお手洗いに行ってくるから』という俺の発言に対し、バイが...
第3章:酒極まって、乱となる

203:悪魔の笑顔

『ここでいいだろ?』 『ああ』  既に、夕日も沈みかけ大分と暗い。もう、秋も終わり。すぐそこには寒い、寒い冬が待っている。けれど、俺はその凍えるような寒い冬を、此処で過ごす事は、もう二度とない。 『ほら、開けろよ。飲もう』 『……』  それ...
第3章:酒極まって、乱となる

202:友からの誘い

------------ --------- -----  首都への帰還を、あと数日と控えたある日。  俺は町での最後の仕事だと、集会所に集まる町の代表者達を前に、自身の帰還とその後、この町を管理管轄するのが、ビロウである旨を伝えた。 『今...