第1章:俺の声は何!?

第1章:俺の声は何!?

34:金策クエスト受注!

「あの!すみません!」 「あん?」  気付いたら、既に声をかけていた。いや、叫んだと言った方がいいかもしれない。  でも、それくらいしなければ、大声で親子喧嘩を行うコイツらの耳には、俺の声など届かなかっただろう。なにせ、客の前にも関わらずこ...
第1章:俺の声は何!?

33:金策クエスト発生!

その晩、無一文の俺は、またしても街に下りていた。  三日後に迫った【大規模演習なんとか】。最早、正式名称を覚える気はさらさらない。  明日明後日、部屋守シフトは日勤と夕勤が続く。そうなれば、何かを買いに街に下りれるタイミングは、今日と明日の...
第1章:俺の声は何!?

幕間6:クリアデータ7 01:30

「キタキタキタキターーー!ヤキモチイベントッ!やっぱ、恋シミュレーションの醍醐味はここでしょ!ここ!相手からの、ヤ、キ、モ、チ!」 上白垣 栞は、ズリズリと膝を床にこすりつけながらテレビ画面へと近寄り、そのまま画面の隅々まで舐めるように見渡...
第1章:俺の声は何!?

32:ごほうび

『……え?』  キィと、イーサの部屋の扉が開いた。そして、もう最近では見慣れてきたイーサのしっかりとした腕が、いつものようにヌルリと部屋の中から出て来る。 『イーサ?』  イーサの腕がヒラヒラと手招きをしてきた。  来て、こっちに来て。はや...
第1章:俺の声は何!?

31:サトシの褒めて伸ばす

『あのぅ、イーサ。俺の声、聞こえてる?』  再び問いかけてみる。 コンコン。  そんな事を思っていると、二度のノックが返された。少し音が強い。明らかに聞いているからノックを返したであろう筈なのに、否定を示す二度のノック。 『イーサ?』  コ...